青の投資コラム

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174.テストで計測できない能力は何ですか(2020年10月28日)

テストは傾向と対策を用意することができます。定期テストでは傾向として出題されるところに絞り、記憶し、それを正確に反復し、対策は時間内に出来るだけ多くの問題を処理することを考えます。入学試験も傾向と対策が可能である以上、未来ではなく、過去を問うことになります。学習塾ではそれらの傾向と対策をしてくれます。


つまり学生時代は問題が用意され、その答えも用意されています。しかし仕事が始まると問題を自ら用意して、その答えも自ら用意することになります。このギャップが仕事のパフォーマンスに差を生じさせます。それをコミュニケーション能力で埋める必要があります。


経団連による新卒採用に関するアンケート調査結果では選考時に重視する要素としてコミュニケーション能力が2018年度でも、16年連続で第 1位になっています。 それは選考にあたって特に重視した点を5つ選択するものですが、その能力は2001年には50%程度であったものが82.4%まで上昇しています。社会においてコミュニケーション能力の必要度が高まってきたというより、その能力が低下してきていると考えています。


学校が理想している人材と企業が求める人材にミスマッチが起きています。学校が社会のニーズに対して鈍感であり、場合によっては自らが理想と考えニーズの無いことをすることはよくあることです。教育界で流行りのプログラミング教育でも、自己肯定感を高めるものでも、理系重視のSTEM(Science,Technology,Engineering,Mathematics)教育でコミュニケーション能力は高まりません。


コミュニケーション能力とは、社会生活において、あらゆる人たちと円滑に意思の疎通が行える能力です。オンライン、オフラインのコミュニケーション、言葉を使ったバーバルコミュニケーション、言葉に依らないノンバーバルコミュニケーションもあります。ビジネスにおいて相手と自らの状況を理解した上で質問を通じて相手の要望や課題を引き出したすこと、相手と折衝や交渉を円滑に進めたりすることなどが必要になっています。


コミュニケーション能力が低い人は仕事に不向きです。そのような部下や同僚を持っている人は分かるように、端的に言って話が通じません。口頭で相当程度細かく指示をしても、テキストで漏れなく書いても、意味を理解しません。それは学校ではそれほど問われない能力です。偏差値が高いことがそのコミュニケーション能力を保証しません。学校はその能力を高めれば社会のニーズに応えることになりますが、その能力を欠いています。また遺伝や育つ環境の影響も大きいと思います。