青の投資コラム

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91.結果に拘る経営(2020年1月21日)

”結果に拘る経営”は成功するでしょうか。一見、うまくいきそうですが、それを行った会社を見ると、混乱を起こしがちです。むしろ結果に拘り過ぎない経営の方がうまくいくように思います。近道より遠道の方が良いとは若い人には理解しがたく、人生の後半の人たちには理解でき、禅問答のようにも感じます。


日産は再び収益の著しい低下という危機を迎えつつあります。今2020年3月期または20201年3月期の決算でその深刻度が多くの人に理解されると思います。それはカルロス・ゴーン本人が言っているように自分が日産から離れたせいではありません。彼の経営の間違いが明らかになるということです。逮捕が一年遅れていたら、それが一般の人の目にも明らかになるところでした。カルロス・ゴーンは日本の鉄鋼産業を2社に集約するようなコスト削減には成功しましたが、その後に行った安売りを通じての利益の創出には失敗しました。主要市場である米国での乱売はブランド価値を棄損しました。コストのかかる新車投入に積極的でなかったことから、売上高とコストのバランスを理解していませんでした。


ライザップホールディングスも結果に拘る会社です。収益の見込めない会社のM&Aを行うことで一時的な会計上の利益を上げることに集中しました。数字合わせをしました。ライザップ内で経営者に正論を言う人を見て、M&Aを紹介した仲介会社はこみ上げる笑いを堪えられなかったと思います。結果に拘って良いのがダイエットくらいです。その意味ではダイエットは特殊な分野です。英語もゴルフも結果はそう簡単には出ません。ライザップのイミテーションである上場企業247を見るとそれが分かりやすく検証できます。ライザップが買収した多くの事業で結果に拘っても、ジーンズメイトを見ると分かるように、そう簡単に継続的で健全な利益は出ません。


三菱UFJファイナンシャルグループで4月にトップに立つことになる亀澤社長がその記者会見で結果に拘ると言っています。メディア向けではなく、本気でそう思っていたら不吉です。長期の利益を犠牲にし、短期の利益を上げることはそれほど難しいことではありません。しかし後に混乱が生じます。歴史がすべてを教えてくれるわけではありませんが、他山の石はそこかしこにあります。